僕にとっての、2000年最大の写真に関するトピックは、F3の発売中止ですね。1980年3月の発売以来、20年。F3はハイテクカメラに味気なさを感じている僕にとっての最後の砦(とりで)でした。モノとして敬愛出来る最後のニコンという気がしています。写真を撮る上で本当に必要な機能に絞り、目に見えない部分にカネがかかっているカメラでした。仕方がないのは十分わかりますが、決まってしまうとやっぱり寂しいものです。
F5なんかはF6が出てしまうとそこに良さを見つけるのは困難になるはずです。最新鋭のハイテクカメラは新しければ新しい程魅力が増します。その代わり陳腐化する部分も多く、使い捨てに近いものがあります。パソコンと一緒ですね。
メーカーもモノが売れてくれないと商売が成り立たないわけですから、必死になります。本当に必要なものを必要なだけといった常識的な発想ではなく、不必要なものを付加価値の名のもとに、必要だと言って売っている気がします。
そんな時代の中で、F3が20年もの間モデルチェンジ無しで販売され続けた事実は、カメラだけではなく僕のモノの見方全般を変えてくれました。ニコンの皆さんに心から感謝します。