先週の「旅行の時の装備考(その1)」で,旅行時の機材選びの難しさとして以下の3点を挙げました.
それぞれの項目についての対処方法を考えてみたいと思います.
撮影対象の予想がつかないと念のためにいろいろな装備をつい持っていってしまい,カメラバッグが重くなります.この念のための装備の主たるものが,レンズですよね.旅行だと撮り直しがきかないので,良い被写体に出会ってもレンズが無くて撮れない時は悔しさもひとしおです.それもあって念のためもう一本でつい,重装備になってしまいます.念のための装備を減らす.すなわち,最小のレンズ構成で最大の効果を上げるにはどうすれば良いでしょうか?
結論から言うと
28mm F2クラスと50mm F1.4クラスの明るい単焦点レンズを2本持っていく.ということになります.なぜかと言えば,標準的な50mmと広角の28mmレンズと自分の足があればたいていのものは撮れるからです.
今回の旅行ではズームレンズを使いましたが,痛切に感じたのが,横着ズーミングの乱発.これ,僕がいま勝手につくった言葉です.どういうことかと言うと,足を使うのが面倒くさくなり撮影位置を変えずに,ズーミングだけする撮り方のことを言います.:-)裏を返せば,単焦点レンズでも撮影位置を変えればズームしたことになるということです.50mmつけて一歩寄れば70mm,一歩引けば35mmで撮るのと同じ撮影範囲を写すことが出来ます.(これ,僕の感覚)50mm一本で35-70mmはカバーできるということです.さすがに,28mmは広角レンズになりますので,50mmで撮影位置を変えるだけではカバーしきれません.
レンズの明るさについては,50mmまでの単焦点レンズの場合は,ズームレンズのように明るくなることによる重量増加はそれほどありません.明るければ明るいほど,旅行では有利です.
広角,標準系は28mm/50mmの2本でどうにかなりそうですが,望遠系で撮りたくなる様な被写体はどうすればいいのでしょうか.ただ,冷静に考えてみると,望遠レンズは晴天時でも手ブレをよほど気をつけないといけません.少しでも曇っていれば,手持ちでは使えなくなります.よって,広角,標準系のレンズに比べて,出番はかなり少なくなります.であれば,旅行の場合,持っていかないのが最も賢明な選択ではないかと思います.これ,今回の経験からも言えます.望遠があれば,もう少し違ったものがとれる場合もありますが,少なくとも僕の場合,そういう場面は極めて稀であることが多いです.重いレンズを持っていくより,少しでも,フットワークを軽くした方が良いのではないでしょうか.
天候の問題だけはNobody knows(神のみぞ知る)です.どうすることも出来ません. 天候が悪いことで問題となるのが光量不足で発生する手ブレです.対処方法としては3通りあります.それぞれの長所と短所を見てみましょう.
| 対処方法 | 長所 | 短所 | 旅行向き? |
|---|---|---|---|
| 高感度フィルムを使う | 機材の重量を増やさないで,1,2段シャッタースピードを上げられる | 画質が若干低下する. | ◎ |
| 明るいレンズを使う | シャッタースピードの点で有利 | 表現手段が限られる.ズームレンズの場合,明るいレンズは非常に重くて高価 | ○ | 三脚を使用する | 手ブレを確実に抑えることができる.シャッタースピードフリー | かさばるので旅行に持って行くにはかなりの気合いが必要 | × |
それぞれに長所と短所があります.天候対策として,僕が一番お勧めしたい方法は,高感度フィルム(ISO200/400クラスのフィルム)を使用することです.問題になるのは画質ですが,展示会用に大伸ばししたり,印刷原稿にする場合は相当の画質が要求されますが,アマチュアレベルではそういったことは無いでしょう.せいぜい,ルーペで見たり,フィルムスキャナで読み込んでプリントアウトするレベルです.入力のクオリティーを上げても,出力のクオリティが追随していません.ポジでも高感度フィルムの性能はあがってきていますので,天候対策としては最も有効な手段だと思います.
明るいレンズを使うのも有効な手段とはなり得るのですが,一つ問題があります.天気が悪いときは明るいレンズを開放で使うことになりますが,そうすると背景までピントが来ません.(被写界深度が浅くなる)これが問題.どんな写真もポートレート的になってしまいます.
普段の撮影では,三脚を使うのが手ブレを抑える上で最も確実な方法ですが,旅行の時は持っていってしまうと,重さでくたくたになり写真撮る気が失せます.そこで,便利なのが一脚です.それほどかさばりませんし,そこそこの手ブレの防止効果があります.手持ちだけに比べれば,シャッタースピードで1段から2段ほどの効果があると思います.ただ,縦位置での撮影が難しいなどの欠点があります.
2回に分けて,いろいろと考えてきましたが,旅行の時の撮影機材のポイントとしては,以下にあげる通りです.
というのが,ベストではないかと思います.非常に無難なというか,ありきたりな結論に行き着きました.:-)ただ,旅行の前日はわくわくドキドキ状態ですので,写真好きは何でも持っていきがちです.そんなときはこの記事を読み返してみてくださいね.少しはお役に立てるかもしれません.もし,今くたくたになって旅行から帰ってきた方がいれば,この記事の内容が身にしみてわかるはずです.:-)ただし,あくまでも,個人的な見解です.はい.