やっぱ,銀塩を捨てるのって抵抗ありますね.一旦デジタルの世界に足を踏み入れるともう戻れない気がしています.
銀塩写真の決定的な不自由さというのはシャッターボタンを無尽蔵に押せないところにあるのではないでしょうか.フィルムの詰まってるカメラのシャッターボタンには神が宿ってました.デジタルではシャッターボタンがただのボタンに成り下がります.
だから,デジタルだと撮影スタイルは全く変わります.何千枚も撮影してその中からいいものを選ぶという今までプロしかできなかったことがだれでも可能になります.また,写真の技術的な部分が専門家のものではなくなってきてどんどんどん簡単になって来ました.あと残されているのは,被写体を見つける能力といいものを選別する眼力です.これだけはデジタル化がいくら進んでも変わることはなんだろうと思います.
逆説的ではあるけど,デジタル化というのは目的に到達するまでの様々なアナログ的な要素をふるいにかけて純粋なアナログな部分を抽出するための作業なんだろうと思います.目的に簡単に到達できて思う存分楽しめるのが最大の魅力があるのではないかと思うと同時に,目的に達するための手段の部分がばっさり切り落とされるのでそこに一抹の寂しさを感じます.北海道に旅行するのに北斗星で16時間かけて行くのか,JALで3時間いくのかの違いなんだろうと思います.個人的な旅行では北斗星が好みだけど,仕事で行くときは飛行機を使います.